のんびりした気分で湖畔に立っていると、2羽の鴨が目の前に登場してきた。猟銃を持っていればいい鴨だが、カメラでは風情のもってこいの主役になる。いつもこの辺に来ては帰る散歩人と見ているのか、毛繕いしながらのんきに警戒心も少ない。この2羽つかず離れず仲が良さそうだ。
のんびり平常気分だった僕は、画面から2羽が居なくなるまでは、可愛いものだと驚かせないようにとじっとしていた。だけど2羽フレームアウト寸前でUターンしてゆっくり返ってきたものだから、さすがに足もしびれて気が変わってしまい、砂利をザクザク踏んで驚かしてしまった。
僕の心の修行もこの辺が足りないのか。
針もなく糸だけ垂らして、じーっと釣りの心を楽しむ中国の仙人にはほど遠いと、グレーな霧立ち始めた湖畔を振り返った僕でした。
モノトーンな 湖の水鳥も つかず離れず