この写真には決定的な秘密があるのです。ここは以前にも紹介したNZ南島の湖ですが、夕方まで海岸近くにいた僕がこの湖に到着した時は、9時を過ぎる頃になっていました。雲がゆっくりと北に流れてゆき。湖の波も輝いて幻想的でした。三脚をセットし準備ができ撮影を始めました。シャッターをBにきり換え90secから始めて見ることにして、何枚かきった。デジタルカメラの限界かと思いながら、確認してみて驚いた。素子の荒れもなく鮮やかに撮れていました。日本の技術です!
そうなのです、満月に近い月の明かりで撮っていました。本来であれば暗闇の先にある暗い山々や星が輝いているのですが、月の光で光量を増やして撮影すると、このように日中のようになってしまいます。この撮影方法で何人かの作家による写真集も出ています。よく見るとどこかが違います。星が流れていたり、波が消されて見えたりしていますが、僕としては全体の写真から光源の不思議な力で、山や湖の表情が違うことを感じ取っていただけたらと思います。長い時間の焼き付ける効果ももちろんあります。人物でも風景でも全て作品を1sec等のシャッターでとらえてゆく活動作家もいますよ。今回 月光90secの世界となるわけです。