雑誌に紹介されていた北欧ビンテージ家具の店にすこし迷って着いた。
古そうな鉄で出来た扉を開けると、会話をする先客達で小さな倉庫は満員だった。
扉を開けたまま中を覗くと、椅子やテーブルが綺麗に重ねられていて好いオイルとニスの臭いがした。
上品なフォルムと自然なカーブの北欧家具はキュートで優雅。
直線もどこまでも繊細で決断されて終わる気持ちよさを読みとれる。
どの家具もその寸法とデザインの的確さを僕は感じてしまう。椅子は座ってみるのが一番確かだ。普段姿勢の悪い僕など少しの姿勢の矯正を軽く背中に受けながらも、気持ちよくいつまでも疲れを知らずに座れるだろうと思った。
先客達が多少帰るまで腰掛けたり、音の出ない薄い曲面の引き出しを開けたり閉めたりして鏡台を横からのぞいて頭髪を撫でたり、窓から雲も見て待った。
色温のさがり始めたクリーム色の雲が、、、、すいません長く御待たせしました、この椅子ですね少し僕も使ってました、、、
この店の若いオーナーだった。